2007年03月28日

「翔ぶが如く」

☆翔ぶが如く 【NHK大河ドラマ】

翔ぶが如く(とぶがごとく)は、NHKで1990年1月7日から12月9日に放送された28作目の大河ドラマ。薩摩藩を中心に、幕末から明治維新までをエネルギッシュに描いた司馬遼太郎の原作をドラマ化。大河ドラマ初の二部構成作品(第一部29話、第二部19話、全48話)。2006年1月から同年12月初めまで、CS放送のホームドラマチャンネルで再放送されていた。平均視聴率は23.2%、最高視聴率は29.3%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)。


☆概要

西郷隆盛と大久保利通は島津斉彬の庇護の下で頭角を現し、薩摩藩を動かしていく。二人の力によって江戸幕府は倒され、明治維新が訪れるが、いつしか新政府内で二人の意見は食い違ってゆく。西郷は野に下り西南戦争で戦死し、大久保も不平士族に襲われ命を落とすまでを描く。原作は70年代に執筆された征韓論争から西南戦争までを描いた長編作品であり第二部のみがこれに該当するが、第一部には『翔ぶが如く』の挿話と同じく幕末維新期を描いた司馬遼太郎原作の『竜馬がゆく』や『花神』などの長編小説や『最後の将軍』『きつね馬』『酔って候』などの短編小説を元に書かれた小山内美江子のオリジナルストーリーである。原作では、西南戦争直前の征韓論の沸騰のあたりから話が始まり、西郷や大久保の若年時代は描かれていない。また原作では川路利良の描写も多いが、ドラマではあまり踏み込んだ描かれ方はされていない。ちなみに、第一部、第二部を通じてナレーションは全て鹿児島弁である(第一部のナレーションを担当した草野大悟は鹿児島出身)。無論出演者の台詞も大抵鹿児島弁なので、分かりにくい言葉には字幕がついた。もっとも、劇中のナレーションやセリフに使われている鹿児島弁は、標準語に影響されやや洗練されたもの(「唐芋標準語」)であり、実際の鹿児島弁はより難解で複雑なものである。「翔ぶが如く」という題は、「泣こよっかひっ翔べ」の言葉に象徴される薩摩隼人の行動力を司馬がイメージして付けたものである。

前年までの三作品が非常に高視聴率だったために目立たないが、幕末維新を扱った大河ドラマの中では最も視聴率の高かった作品であり、軽薄な受け狙いがない骨太の歴史ドラマとして高く評価された。西郷を演じた西田敏行は当時有名だった肖像画でよく見られる西郷に近づこうと、メイクや表情など撮影時の努力だけでなく、実際にクランクイン前から体重を増やして撮影に挑んだ逸話がある(ただしこの肖像画が本物の西郷を投影しているかは、現在疑問視されている)。身長については6尺を優に超えていた南州に対しカメラアングルを工夫することで大柄な印象を操作した。また、鹿賀丈史の演じる大久保もかなり実像に近い演技であると、大久保の子孫から賞賛されている。このように作品の評価は低くないが、一柳慧によるテーマ曲は非常に難解で曲に一貫性がなく評価は分かれる。

最終話でいとが桜島を眺める際に写した航空撮影では、舞台が明治なのに現代鹿児島の日豊線の電車や周辺の実際の住宅が映っており、大河ドラマとしては不自然との指摘もあった。しかしこのラストシーンについては、第一部で世直しを誓った薩摩の若者たち(いとがよく知る人物たちである)が、やがて地元を去り命を落としていく展開であり、そのことを「みんな翔んでいってしまった」と(タイトル『翔ぶが如く』への異説でもある台詞で)生き残ったいとが嘆くシーンでもある。航空撮影の映像は、いとの思いは現代日本にも続いていることを示すという解釈もできる。逆に言えば製作側がこうした意図を狙っていなければ、電車や住宅を画面に見切らすというミスを犯すはずがないとも言える。


☆あらすじ

薩摩国鹿児島城下の下加治屋町で兄弟の如く育った西郷吉之助と大久保一蔵。二人はある時は互いに手を取り合い、そしてある時は異なるやり方で藩内に影響力を増し、やがて二人の活躍は維新回天の大偉業を成し遂げるに至った。二人は新政府参議にそろって就任するが、封建体制から近代政治への一大転換は国内に大きな矛盾を生み出しつつあった。それは禄を失った士族達の存在である。未だ武士道精神から自己を抜け出せないでいる西郷にとって、こうした士族達の存在は対岸の火事ではなかった。一方の大久保は合理主義家として数々の洋化政策を打ち出していく。互いに相容れない二人のイデオロギーは、いわゆる「征韓論」を以って衝突する。「戦争で国が滅んでも良いのか」との大久保の言葉に、西郷は「国が滅びつくして、その中から這い上がってきた日本人達が新しい国をつくるのだ!」と叫ぶ。やがて征韓論は白紙撤回され、二人は袂を別った。そして時代のうねりは、二人を維新後最大の内乱・西南戦争へと駆り立てていく。しかしそれは二人が偽りでない真の友情を全うするためには、避けて通れない道であった。


☆スタッフ

原作・・・司馬遼太郎
脚本・・・小山内美江子
音楽・・・一柳慧
演奏・・・東京コンサーツ
テーマ音楽演奏・・・NHK交響楽団
テーマ音楽指揮・・・秋山和慶
題字・・・司馬遼太郎
協力・・・鹿児島県
監修・・・小西四郎
時代考証・・・原口泉
風俗考証・・・小野一成
衣装考証・・・小泉清子
所作指導・・・猿若清方
殺陣・・・林邦史朗
製作・・・吉村文孝
演出・・・平山武之、望月良雄、木田幸紀、小松隆一、菅康弘
語り・・・草野大悟(第一部)、田中裕子(第二部)

☆出演

西郷家・大久保家

西郷隆盛:西田敏行
大久保利通:鹿賀丈史
西郷吉兵衛:坂上二郎 (隆盛の父)
西郷龍右衛門:浜村純 (隆盛の祖父)
西郷まさ:冨士真奈美 (隆盛の母)
西郷きみ:大路三千緒 (隆盛の祖母)
西郷いと:田中裕子 (隆盛の正室・後妻)
西郷俊:南果歩 (隆盛の正室・先妻)
愛加那:石田えり (隆盛の側室)
西郷吉二郎:村田雄浩 (隆盛の弟)
西郷小兵衛:武田佑介→岩下謙人→金山一彦 (隆盛の弟)
西郷従道:根本卓哉→高橋守→星孝行→緒形直人 (隆盛の弟)
西郷琴:酒井法子 (隆盛の妹)
西郷清:国生さゆり (従道の妻)
西郷園:星野博美
西郷松:長谷川真弓
西郷菊次郎:若菜大輔→六浦誠
西郷菊子:茅野佐智恵
西郷スマ:奥田圭子
西郷美津:八木沢一恵→広瀬珠美
西郷勇袈裟:早津翔太→長谷川歩
西郷午次郎:高橋壱岐
西郷たか:近藤絵麻
西郷やす:田京恵
大久保福:八木昌子 (利通の母)
大久保利世:北村和夫 (利通の父)
大久保満寿:賀来千香子 (利通の妻)
大久保きち:吉川十和子 (利通の妹)
大久保伸熊(牧野伸顕):大西良和→三浦竜也
大久保すま:矢沢美紀
大久保りよ:桂川冬子

島津一門・家臣

島津斉興:江見俊太郎 (薩摩藩第10代藩主)
島津斉彬:加山雄三 (薩摩藩11代藩主)
島津久光:高橋英樹 (斉彬の庶弟)
島津忠義:藤原秀樹→川名康浩 (久光の長男)
島津敬子・篤姫(天璋院):富司純子 (島津斉彬養女・徳川家定正室)
幾島:樹木希林 (篤姫の付き人)
お由羅:草笛光子 (島津斉興の側室)
島津忠剛:瀬下和久 (篤姫の実父)
島津久徳:名和宏 (薩摩藩・家老)
島津久宝:村松克巳 (薩摩藩・家老)
小松帯刀:大橋吾郎 (薩摩藩・家老)
大山綱良:蟹江敬三 (鹿児島県の大参事、県令)
大山巌:坂上忍 (西郷隆盛の従兄)
村田新八:益岡徹
有馬新七:内藤剛志
海江田信義:佐野史郎
伊地知正治:安藤一夫
吉井友実:福田勝洋
樺山三円:吉岡祐一
伊藤才蔵:草見潤平
谷村愛之助:潮哲也
森山新蔵:東野英心
関勇助:坂口芳貞
土持政照:光石研
月照:野村万之丞
川路利良:塩野谷正幸
桐野利秋:杉本哲太
永山弥一郎:遠藤憲一
中原尚雄:渡辺いっけい
別府晋介:黒田隆哉
篠原国幹:西田静志郎
海老原穆:草野大悟
調所笑左衛門(調所広郷):高品格
伊集院兼寛:内田慎一
野津鎮雄:堀辺隆一
池上四郎:横溝貴之
中山尚之助:深水三章
高崎温恭:江角英明

江戸幕府とその関係者

徳川家慶:加藤治 (江戸幕府第12代将軍)
徳川家定:上杉祥三 (江戸幕府第13代将軍)
徳川家茂:三宅喜章→小林正則→若菜孝史
(江戸幕府第14代将軍)
和宮:鈴木京香 (徳川家茂正室)
徳川慶喜:三田村邦彦 (江戸幕府第15代将軍)
井伊直弼:神山繁 (江戸幕府大老)
松平春嶽:磯部勉 (越前藩主)
松平容保:若松武 (会津藩主)
松平定敬:真崎理 (桑名藩主・松平容保兄弟)
徳川慶勝:板倉佳司→三上真一郎 (尾張藩主・松平容保兄弟)
徳川斉昭:金子信雄 (水戸藩主・慶喜、慶篤父)
徳川慶篤:高野光平 (水戸藩主)
山内容堂:嵐圭史 (土佐藩主)
伊達宗城:北村総一朗 (宇和島藩主)
浅野長勲:清水明彦 (広島藩主)
長野主膳:伊藤孝雄 (大老・井伊直弼の参謀)
平岡円四郎:永田博丈 (一橋家家老)
阿部正弘:若林豪 (江戸幕府老中)
阿部正外:山本寛 (江戸幕府老中)
堀田正睦:井上孝雄 (江戸幕府老中)
板倉勝静:津村鷹志 (江戸幕府老中)
水野忠精:大林丈史 (江戸幕府老中)
間部詮勝:石坂重二 (江戸幕府老中)
青山忠良:小林勝也 (江戸幕府老中)
松平忠固:岸本功 (江戸幕府老中)
牧野忠雅:小寺大介 (江戸幕府老中)
太田資始:ト字たかお (江戸幕府老中)
勝海舟:林隆三 (江戸幕府陸軍総裁)
川路聖謨:伏見哲夫 (江戸幕府勘定奉行)
岩瀬忠震:酒井郷博 (江戸幕府外国奉行)

各藩の藩士とその関係者

藤田東湖:大山克巳 (水戸藩士)
安島帯刀:平井武 (水戸藩家老)
橋本左内:篠井英介 (越前藩士)
坂本龍馬:佐藤浩市 (土佐藩浪士)
おりょう:洞口依子 (龍馬の妻) 
中岡慎太郎:古山忠良 (土佐藩士)
桂小五郎(木戸孝允):田中健 (長州藩士)
木戸松子(幾松):景山仁美 (孝允の妻)
品川弥二郎:廣田高志 (長州藩士)
大隈重信:石丸謙二郎 (佐賀藩士)
板垣退助:斉藤洋介 (土佐藩士)
江藤新平:隆大介 (佐賀藩士)
伊藤博文:小倉久寛 (長州藩士)
山県有朋:新井康弘 (長州藩士)
井上馨:長谷川初範 (長州藩士)
大村益次郎:平田満 (長州藩士)
平野国臣:野崎海太郎 (福岡藩士)
副島種臣:坂部文昭 (佐賀藩士)
大木喬任:町田幸夫 (佐賀藩士)
山口尚芳:大森一 (佐賀藩士)
児玉源太郎:光岡湧太郎 (長州藩士)
後藤象二郎:高橋幸兵 (土佐藩士)
田中光顕:宮寺陽一郎 (土佐藩士)
永岡久茂:坂西良太 (会津藩士)

朝廷関係者

明治天皇:岡部浩之
岩倉具視:小林稔侍
三条実美:角野卓造
中川宮朝彦親王(久邇宮朝彦親王):三木敏彦
中山忠能:松村彦次郎
近衛忠煕:柳生博
正親町三条実愛:沼田爆
大原重徳:庄司永建
二条斉敬:今西正男
姉小路公知:石垣恵三郎

その他

新門辰五郎:三木のり平
川口雪篷:竜雷太
ジョン万次郎:中西良太
アーネスト・サトウ:ゴダン·ジャンリュック
タウンゼント・ハリス:ジョー·グレイス
ヘンリー・ヒュースケン:アンドレ·ケイザース
チャールズ・リチャードソン:ダレン・ジアー
白石正一郎:小林勝彦
浅田信興:小田島隆
喜久:田中好子
お房:萬田久子
カメ:飯田テル子
芦名千絵:有森也実
芦名千草:南條玲子
山城屋和助:藤堂新二
梅乃家五郎八:桂三木助 (4代目)
伊集院ヨシ:喜多道枝
岡崎恭助:佐渡稔
十蔵:奥村公延
熊吉:車だん吉
金太:段田安則
矢崎八郎太(宮崎八郎がモデル):堤真一
清次郎:松澤一之
坂東:田口トモロヲ
和助:笹野高史
直兵衛:頭師孝雄
向井:直江喜一
丸山:大塚周夫
仲居:戸川京子
その他:江成正元、冨田真之介

☆放送

放送日程

第1部
2月18日は衆議院選挙速報のため、放送休止。

放送回 放送日 題 演出
第1回 1990年1月7日 薩摩藩お家騒動 平山武之
第2回 1990年1月14日 新藩主お国入り 平山武之・望月良雄
第3回 1990年1月21日 運命の女たち 平山武之・本田幸紀
第4回 1990年1月28日 黒船来る 平山武之
第5回 1990年2月4日 江戸へ 望月良雄
第6回 1990年2月11日 庭方役拝命 望月良雄
第7回 1990年2月25日 篤姫お輿入れ 木田幸紀
第8回 1990年3月4日 異変のきざし 木田幸紀
第9回 1990年3月11日 大老・井伊直弼 平山武之
第10回 1990年3月18日 斉彬出兵計画 平山武之
第11回 1990年3月25日 大獄の嵐 望月良雄
第12回 1990年4月1日 吉之助入水 望月良雄
第13回 1990年4月8日 正助の布石 木田幸紀
第14回 1990年4月15日 桜田門外の変 平山武之
第15回 1990年4月22日 南国の女 平山武之
第16回 1990年4月29日 吉之助帰る 望月良雄
第17回 1990年5月6日 同士討ち 望月良雄
第18回 1990年5月13日 公家攻略策 小松隆一
第19回 1990年5月20日 異人斬り 小松隆一
第20回 1990年5月27日 薩英戦争前夜 平山武之
第21回 1990年6月3日 慶喜の裏切り 平山武之
第22回 1990年6月10日 燃える思い 菅康弘
第23回 1990年6月17日 竜馬と海舟 菅康弘
第24回 1990年6月24日 新たな契り 望月良雄
第25回 1990年7月1日 薩長同盟 古川法一郎
第26回 1990年7月8日 討幕への道 望月良雄
第27回 1990年7月15日 王政復古 小松隆一
第28回 1990年7月22日 江戸開城 望月良雄
最終回 1990年7月29日 維新成る 望月良雄


第2部

放送回 放送日 題 演出
第1回 1990年8月5日 揺れる新政府 平山武之
第2回 1990年8月12日 決意の門出 平山武之
第3回 1990年8月19日 苦難の大変革 平山武之
第4回 1990年8月26日 いけにえの牛 平山武之
第5回 1990年9月2日 欧米視察団出発 小松隆一
第6回 1990年9月9日 留守政府分裂 望月良雄
第7回 1990年9月16日 破裂弾中の昼寝 望月良雄
第8回 1990年9月23日 遣韓大使志願 望月良雄
第9回 1990年9月30日 大久保の決断 平山武之
第10回 1990年10月7日 両雄対決 平山武之
第11回 1990年10月14日 西郷、野に下る 菅康弘
第12回 1990年10月21日 東京政府孤立 望月良雄
第13回 1990年10月28日 佐賀の乱 西谷真一
第14回 1990年11月4日 それぞれの薩摩 望月良雄
第15回 1990年11月11日 士族暴発 平山武之
第16回 1990年11月18日 西郷軍挙兵 平山武之
第17回 1990年11月25日 西南戦争 木田幸紀
第18回 1990年12月2日 故郷・城山へ 望月良雄
最終回 1990年12月9日 明日への飛翔 平山武之


総集編

青雲の志(第一部・前編)
維新成る(第一部・後編)
両雄対決 (第二部・前編)
明日への飛翔(第二部・後編)

☆エピソード

原作では西郷・大久保をはじめ多くの薩摩人は無口な人物として描かれ、沈黙に耐えられる薩摩人の器量を他藩出身者と比較して描写しているが、脚本を担当した小山内美江子は「無口だとドラマにならない」と泣く泣くセリフを継ぎ足したという。原作者の司馬もその点に関しては寛容であり、対談で小山内の苦労をねぎらった。
概要にもある通り、薩摩出身者は全編通して鹿児島弁をしゃべっていた(当然、島津斉涁は江戸育ちなので共通語、久光は鹿児島弁)が、それだけでなく、坂本龍馬は土佐弁だったし、長州出身の桂小五郎もちゃんと長州弁でしゃべっていた。ところが第二部に入ると、なぜか薩摩出身者以外の新政府関係者は桂(木戸孝允)を含め、みんな共通語になってしまった。


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B2%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E
posted by ワン at 00:00 | 1990年 「翔ぶが如く」

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