2007年04月05日

「秀吉」

☆秀吉 【NHK大河ドラマ】

秀吉(ひでよし)は、1996年1月7日〜12月22日に放送されたNHK大河ドラマ。原作:堺屋太一、脚本:竹山洋、主演:竹中直人。


☆作品内容と反響

大河ドラマギャグ

豊臣秀吉を主人公にした大河ドラマは、1965年の『太閤記』、1981年の『おんな太閤記』に続いて3作目。『八代将軍吉宗』の総集編が終わった後の予告で「これがドラマだ!」と強調したものの、蓋を開ければつばを吐き散らしてしゃべる竹中直人のハイテンションな演技や、厳格ながらも人間味溢れる信長像を演じた渡哲也の好演が光り、平均で30%を超える高視聴率を記録した。また、秀吉がことあるごとに、右手で五文字を強調しながら言う決めゼリフ「心配御無用!」は流行語となった。第1話で、褌の横から竹中の陰部が見え隠れしたことも大きな話題になった(大仁田厚演じる蜂須賀小六が竹中を担ぎ上げるシーン。なおこのシーンは総集編でもモザイクも入らずにしっかりと放送されている)。こうした事件や竹中直人の演技から「大河ドラマギャグ」とまで一部で呼ばれた。一方で時代考証に関しては少なからぬ批判も存在した(当時高級食品だった豆腐を百姓が食べている、当時日本にいなかったはずの犬が出てくる、秀吉の母・なかが軍議の席にしゃしゃりでるなど)。本作が史実よりもエンターテイメント性を重視していたのは言うまでもないが、明らかにやりすぎがあったことは否めない。


☆信長、光秀、秀長

原作の『秀吉〜夢を超えた男〜』を中心に、織田信長と明智光秀がそれぞれの心中を語る形で物語が展開される『鬼と人と』、秀吉の弟・小一郎秀長を描いた『豊臣秀長〜ある補佐役の生涯〜』という三本の堺屋太一作品をもとに脚本が書かれている。そのため本作では、秀吉の生涯を人間味を重視して描くとともに、秀吉の弟である秀長にも光が当てられている。秀長が登場する大河ドラマは『おんな太閤記』以来15年ぶりであり、『太平記』でも足利尊氏の弟直義を演じた高嶋政伸が彼の実務面での奮迅振りを好演した(ちなみに『太平記』からは沢口靖子・真田広之・赤井英和など多くの俳優が再登用されている)。また明智光秀も浪人時代の初回から登場し、秀吉との出会い、信長に仕官後の互いに認め合う良きライバルとしての関係が描かれている。秀吉、信長に次ぐ準主役的な扱いで、その家族・家臣もストーリーの中で大きく取り上げられている。光秀が信長に虐げられて本能寺に至るまでの過程が詳細に描かれており、村上弘明が悲劇的な光秀を好演した。総集編でも登場シーンが多く使用されたが、山崎の戦いのエピソードは省略されたため、その最期も総集編ではあっけない印象を受けるようになってしまった。秀長の死も同様に、本編では1エピソード使って描いたにも関わらず、ナレーションで伝えるのみで省略された。


☆「陰」を隠した物語

織田信長の死までは秀吉の光り輝くサクセスストーリーが展開されるが、天下人となった後は朝鮮出兵や千利休の切腹など、秀吉の陰の部分にも注目する展開になっている。しかし、話自体は秀吉が栄華を極めていた時期、史実からすると小一郎秀長や、母・なか(大政所)が亡くなった時点で終了し、甥・秀次一家の惨殺や朝鮮出兵の失敗などの晩年の暗い部分はカットされた。

※この理由としては、NHKが中華人民共和国や韓国の国民感情に配慮したドラマ作りをする傾向なったからとも、渡演ずる信長の延命嘆願が殺到しスケジュールが押したからだとも言われる。後者に関しては『太閤記』にも同じこと(信長は高橋幸治)が起こっている。ちなみに、『太閤記』(全52回)での本能寺は第42回(1965年10月17日)、『秀吉』(全49回)での本能寺は第30回(1996年7月28日)である。
本編の最終回は、秀吉がおねのご機嫌を伺う為に大坂城で催した架空の花見と、そこに顔を出した面々(秀吉に殺される秀次、豊臣家に殉じた三成や淀殿、豊臣家から天下を奪う家康ら)を華やかに描きつつ、最後には一人となった秀吉が亡き母に辞世を伝え、城の中に現出した桜に向かい一人とぼとぼと歩いていく、という彼自身と一族の最期を暗示する様なラストシーンが描かれた(これは竹中自身の発案といわれる)。ただし、総集編では描き方が変わり、ラストの印象自体が本編と総集編とでは大幅に変わったものになっている。


☆「本能寺」
本能寺の変を題材とした第30回の放送では、裏番組のTBS系列でアトランタオリンピック女子マラソンが放送され、その視聴率戦争が話題になった。

本能寺での信長の最期は、燃え盛る炎の中で白装束の信長が「人間五十年」で有名な能・敦盛の一節を謡った後、”「神か…、神が死ぬか!」と叫び頚動脈を自ら斬り、大量の血を吹き出させながら絶命する”という、大河ドラマ史に残る壮絶なシーンとなり大きな話題を呼んだ。この最後は信長を演じた自身の発案であると、後に民放番組に出演したとき渡が明かしている。数ある本能寺の映像作品の中で、切腹以外の方法で死ぬ信長の描写は初めてであるという。その後、頚動脈を斬る信長は2006年の『功名が辻』でも描かれた。

本能寺に至る理由として、本作では信長による光秀への冷遇と共に(いわゆるよく語られる国換えの他、光秀の母・美が八上城に人質に取られているにも関わらず、信長が八上城主・波多野秀治・秀尚を殺害してしまう等)、徳川家康と千利休が光秀に謀反をけしかける陰謀説を採用している。

また翌週の8月4日の男子マラソンはNHKで放送されるため、休止の予告として放送の最後に、鎧姿の秀吉が「がんばれニッポン、心配御無用!ニカッ!」と語り掛ける特別なスポットが放映された。


☆その他エピソード

本能寺の変の放送日、ANN系列ではプロ野球「阪神 - 巨人」が放送され、NHKで秀吉が始まる8時の直前に、実況のABCテレビ・武周雄アナウンサーが「間もなく8時、我々の敵はアトランタと本能寺にあり!」と言った。その後、8時を回った直後に「ここから見て頂いている方は本当のプロ野球ファン!」とコメントしている
オープニングは実際に京都にある秀吉の墓(豊国廟)でロケ撮影が行われたが、何故か秀吉に寄り添う犬は戦国時代・天正時代の日本にいないはずのパグであった。
このドラマで初めて秀吉の妻の名前が「ねね」ではなく「おね」として呼ばれた。この呼び名は6年後の『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』でも引き続いて使用され、2006年の『功名が辻』でも当初は「おね」が使われる予定であった(ただし原作に即して「寧々(ねね)」となった)。
番組終了後、渡哲也が大阪の舞台で大阪新歌舞伎座公演・渡哲也特別記念公演『信長』で信長役を2回演じ、一時期信長役を当たり役としていた。その後、2002年には松竹梅のCMにおいて、渡が織田信長のような役を演じてもいる。
また大泥棒石川五右衛門は秀吉の幼馴染の設定で、終盤での釜茹で処刑のエピソードに一週丸々費やした事も話題になった。この回は全シーンが処刑場のセット内で撮影されている。しかし、光秀と秀長の死と同様、このエピソードも総集編では割愛されている。
総集編の最終回では竹中直人演じる秀吉が「さよなら!あぁ〜〜〜!(花吹雪で飛ばされる)来年の大河ドラマ・毛利元就もよろしく!心配ご無用!」と爽やかなアドリブを入れている。奇しくも、その毛利元就役だった中村橋之助が2006年のテレ朝系太閤記の秀吉役を務めている(橋之助は同じ年の大河ドラマ『功名が辻』では石田三成を演じている)。
消費者金融のモビットのCMで竹中直人と桃井かおりが出ていたが、竹中が本作に出ていたこともあってか、二人の格好は本作を意識した戦国時代の侍夫婦といういでたちであり、二人の姿が途中でアニメで描かれたものに変わるというものであった。
秀吉の母、なかは最初から最後まで尾張弁で演じ通した。
基本的に語り役は宮本隆治アナウンサーだが、所々になかを演じる市原悦子のナレーションも入り、なかの死後はおね役の沢口靖子も語りを行った。このように語り役が三人もいるという珍しいドラマでもある。ただし宮本アナは状況説明、市原・沢口は心情説明と役割分担がされており、違和感・不自然さは感じさせない語りになっている。


☆あらすじ

尾張国中村の百姓の子として生まれた日吉(後の秀吉)は諸国流浪中の明智光秀に出会い、光秀に触発されて武士になる夢を抱く。やがて織田信長の下に足軽として仕官した秀吉は、弟・秀長との絶妙なコンビネーションで一夜城の建設や竹中半兵衛の調略等に成功し、織田家中の中でめきめきと頭角を現す。一方、一浪人にすぎない光秀の才能を嗅ぎ分けた信長は光秀を破格の厚遇をもって家臣として迎える。秀吉はそんな光秀にライバル心を燃やし、二人の出世競争が始まった。


☆スタッフ

原作:堺屋太一(『秀吉〜夢を超えた男〜』『鬼と人と』『豊臣秀長』)
脚本:竹山洋
音楽:小六禮次郎
テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
テーマ音楽指揮
時代考証:小和田哲男、下山治久
風俗考証:二木謙一
建築考証:平井聖 
衣装考証:小泉清子
殺陣武術指導:林邦史朗
所作指導:猿若清三郎
題字:森繁久弥
協力:岩手県江刺市(現・奥州市)
語り:宮本隆治(NHKアナウンサー)


☆配役

豊臣家

秀吉・藤吉郎・日吉 - 竹中直人
おね - 沢口靖子
秀長・小一郎 - 高嶋政伸
なか - 市原悦子
淀殿 - 小井紗陽→松たか子
鶴松 - 深川雄太
秀頼 - 若林晋太郎
筑阿弥 - 財津一郎
とも - 深浦加奈子
さと - 細川直美
秀次 - 三国一夫
石松丸 - 高野成政
於次丸 - 青木海
おかつ - 川上麻衣子
お福 - 高瀬春奈
お豪 - 松尾恵理香→坂田麻衣子
長助 - ビートキヨシ
仲蔵 - 岡本健一
豊臣家臣

竹中半兵衛 - 古谷一行
石田三成 - 小栗旬→真田広之
蜂須賀正勝(小六) - 大仁田厚
小寺官兵衛(黒田如水) - 伊武雅刀
黒田長政 - 内田悠太→田中丈資
小西行長 - 小西博之
加藤清正 - 高杉亘
福島正則 - 松田敏幸
浅野長政 - 原田優一→天現寺竜


織田家

織田信長 - 渡哲也
織田信忠 - 飯塚恭平→西川忠志
織田信雄 - 西川弘志
織田信孝 - 佐伯太輔
三法師 - 飯田綾真
織田信行 - 大石悟郎
土田御前 - 三條美紀
吉乃 - 斉藤慶子
お鍋 - 櫻井公美
お市 - 頼近美津子
お初 - 登坂瞳→湯原麻利絵
小督 - 徳島更紗→濱松恵
※濃姫は本作に登場せず。

織田家臣

柴田勝家 - 中尾彬
丹羽長秀 - 篠田三郎
滝川一益 - 段田安則
森蘭丸 - 松岡昌宏
毛利新助 - 深江卓次
林佐渡守 - 高松英郎
服部小平太 - 畑山東一郎
佐久間信盛 - 織本順吉
佐久間盛政 - 遠藤憲一
村井貞勝 - 桝田徳寿
池田恒興 - 五代高之
前田利家 - 渡辺徹
まつ - 中村あずさ
前田利長 - 中倉健太郎
細川藤孝 - 浜畑賢吉
細川忠興 - 小林滋央
佐々成政 - 秋山武史
堀久太郎 - 戸井勝美
浅野又右衛門 - 宗近晴見
溝尾庄兵衛 - 今福将雄
梁田正綱 - 五森大輔
明智家

明智光秀 - 村上弘明
明智秀満 - 青島健介
斎藤利三 - 上條恒彦
ひろ子 - 有森也実
美 - 野際陽子
たま - 清水桂那→田村英里子


諸大名

足利義昭 - 玉置浩二
今川義元 - 米倉斉加年
斎藤道三 - 金田龍之介
斎藤龍興 - 三井智宏
安藤伊賀守 - 塚本信夫
稲葉良通 - 真実一路
氏家卜全 - 竹本和正
徳川家康 - 西村雅彦
結城信康 - 佐藤真一郎
本多正信 - 宍戸錠
石川数正 - 誠直也
酒井忠次 - 真夏竜
築山殿 - 石川真希
浅井長政 - 宅麻伸
浅井久政 - 梅野泰靖
浅井万福丸 - 穴井隆文
宇喜多直家 - 秋山道男
宇喜多秀家 - 浅利陽介→西手武
松永久秀 - 秋間登
荒木村重 - 大杉漣
安国寺恵瓊 - 中条きよし
小早川隆景 - 山崎海童
毛利輝元 - 風間正広
上杉景勝 - 神谷秀澄
清水宗治 - 真田五郎
堀尾茂助 - 高村祐毅→大地泰仁
藤堂高虎 - 徳秀樹
高山右近 - 森本謙太郎
別所長治 - 伊藤高
尼子勝久 - 高場隆義
山中鹿介 - 梅垣義明
穴山梅雪 - サンダー杉山
吉川元長 - 田中充貴
稲田大炊助 - 梶原善


その他

山科言継 - 朱源実
千利休 - 仲代達矢
お京(利休の妻) - 香山美子
お吟(利休の娘) - 仲代奈緒
がんまく→石川五右衛門 - 赤井英和
おたき(五右衛門の妻) - 涼風真世
石川りゅう(五右衛門の子) - 蓮池貴人→杉山丈二
神谷宗湛 - 木下秀雄
山上宗二 - 加藤久詞
里村紹巴 - 阪脩
曲直瀬道三 - 大川義幸
能登屋 - 川辺久造
紅屋 - 西村淳二
ルイス・フロイス - テリー・オブライエン
おせん - 八代亜紀
たか - 清水ひとみ
加治田隼人 - 中山正幻
日比野六大夫 - 佐藤信一
はま - 福島珠美
足軽頭 - 桜金造
薬師 - 山崎満、小市慢太郎
頭領 - 谷津勲
会合衆 - 楠見尚己
子供 - 入野自由、須藤祐実
その他 - 森康子


放送日程

放送回 放送日 視聴率 題
第1回 1996年1月7日 26.6% 太陽の子
第2回 1996年1月14日 29.2% 桶狭間の奇跡
第3回 1996年1月21日 33.5% 運命の花嫁
第4回 1996年1月28日 33.2% 黄金兄弟
第5回 1996年2月04日 34.6% 男の値段
第6回 1996年2月11日 35.0% 一夜城
第7回 1996年2月18日 33.7% 妻の秘密
第8回 1996年2月25日 33.2% 知らぬ顔の半兵衛
第9回 1996年3月03日 32.0% 猿のかく乱
第10回 1996年3月10日 37.4% 浮気いたし候
第11回 1996年3月17日 34.7% 絶体絶命
第12回 1996年3月24日 31.2% 比叡山焼き打ち
第13回 1996年3月31日 30.7% 極秘情報
第14回 1996年4月07日 28.4% 小谷落城
第15回 1996年4月14日 32.7% どくろの盃
第16回 1996年4月21日 33.5% 隠し子発覚!
第17回 1996年4月28日 28.0% かあちゃんと母御前
第18回 1996年5月05日 29.4% 切腹命令
第19回 1996年5月12日 31.7% 父の家出
第20回 1996年5月19日 32.4% 軍師の条件
第21回 1996年5月26日 31.2% 命の重さ
第22回 1996年6月02日 30.6% 母御前、はりつけ
第23回 1996年6月09日 36.6% 半兵衛の死
第24回 1996年6月16日 32.8% 左遷寸前
第25回 1996年6月23日 33.9% 温泉に行きたく候
第26回 1996年6月30日 33.2% 史上最大のお歳暮
第27回 1996年7月07日 31.3% 三成登場
第28回 1996年7月14日 33.5% 高松城水攻め
第29回 1996年7月21日 31.3% 敵は本能寺
第30回 1996年7月28日 26.4% 信長、死す
第31回 1996年8月11日 26.8% 天下への道
第32回 1996年8月18日 29.7% 夢を継ぐ者
第33回 1996年8月25日 29.9% 光秀の首
第34回 1996年9月01日 31.8% 女の天下獲り
第35回 1996年9月08日 33.1% 美しき刺客
第36回 1996年9月15日 29.5% 家康VS秀吉
第37回 1996年9月22日 31.8% 天子様の御落胤!?
第38回 1996年9月29日 23.9% 黄金の茶室
第39回 1996年10月06日 22.2% かあちゃん、人質
第40回 1996年10月13日 27.9% 誘惑
第41回 1996年10月27日 29.1% 決別の朝顔
第42回 1996年11月03日 25.0% 淀の子、誕生
第43回 1996年11月10日 27.2% 花戦さでござる
第44回 1996年11月17日 29.1% 秀長、逝く
第45回 1996年11月24日 30.0% 利休切腹
第46回 1996年12月01日 30.5% 母の悲しみ
第47回 1996年12月08日 25.9% かあちゃんの死!
第48回 1996年12月15日 27.3% 五右衛門、釜ゆで
最終回 1996年12月22日 27.1% 夢のまた夢

平均視聴率 30.5%


☆総集編

「太陽の子」
「天下布武」
「本能寺の変」
「夢のまた夢」



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B2%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E
posted by ワン at 00:00 | 1996年 「秀吉」

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